【嘯月】
「嘯月」のきんとんを食べずして、京菓子を語ることなかれ、と言われるほどの名店。
しかし、その存在はあまりにもわかりにくい。
中心市外から少し外れた住宅街にひっそりとたつ。
タクシーの運転手が知らないところからも想像していただきたい。
やっとの思いで辿り着いても、店内にはショーケースひとつない。
こあがりのような店内には、
予約の和菓子が包装されて用意してあるのみ。
完全予約制である。
私も予約を入れて買わせていただく。
たしかに美味しい。
特筆すべきはやはり「きんとん」。
絹糸のように、細くて滑らかなそぼろが特徴。
馬毛製の網の目の細かい裏ごしを通したそぼろを、
餡玉を芯にして絡めていく。
単色・多色どちらのきんとんも、
繊細なそぼろと微妙な色合いとが相まって、
芒洋とした風情を醸し出している。
そこはかとなく華麗な都の四季の彩りである。
ご主人の後藤英雄さんは、
京都府菓子専門学校の校長として後進の指導にも尽力している。
ちなみに「美味しんぼ」56巻にも登場している。
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「月に嘯く(吠える)虎」という言葉から付けられた店名からもわかるように、初代当主は虎屋黒川で修行を積んだ人物である。独立後、大正5年に店を開く。嘯月は名料亭「瓢亭」の茶菓子も作る。創業以来、「店に商品は置かない」という方針を守りつづけている。いちばん食べ頃の菓子を食べて欲しいという思いから、作り置きは一切せず、注文後、客人が菓子を取りに来る時間を逆算して、ひとつひとつ丹念に作り上げている。
住所:北区紫野上柳町6
電話:075-491-2464
営業:9:00〜17:00(完全予約制)
定休:日曜・祝日
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(「京都の和菓子」・井上由理子著・学研より引用)